今すぐできる!シックハウス対策 04
-- 化学物質対策 その4 --
ここでは、すでに建ててしまった人が行う対策ではなく、これから建てる人にとっての対策を紹介したいと思います。
まず、これからリフォームや新築を考えている人を対象に、シックハウスにならないための建材の選定について。
無垢材・天然材料を選ぶ
多くの建築材料には、機能性を高めるために様々な化学物質が使われています。
一見、一枚のひき板だけで作られているようなフローリングも、実は基材に合板を使い、表面に化粧板を貼って加工しているものがほとんど。
このようなフローリングは反りやむくれに対してとても強く、扱いやすいのですが、多くの揮発性有機化合物(VOC)が含まれています。
一方、無垢材や天然素材の建材を選べば、化学物質の放散はほとんどありません。
最近では天然素材のよさが見直され、無垢のフローリングや珪藻土壁などが使われるケースが増えています。
⇒ 化学物質を吸収する天然素材の珪藻土壁
⇒ シックハウス対策に最適な無垢フローリング
建材メーカーが取り扱う天然素材系の商品ラインナップも充実してきています。
天然の木材からもαピネンなどの化学物質が放散されることが確認されていますが、加工材や製材よりもはるかに安全であることは言うまでもありません。
また木製用の塗料にも、柿の成分を使ったものや、植物油を使ったものなど自然系のものが多くでています。
⇒ 化学物質を使わない天然塗料
ただ、頭に入れておきたいのは、無垢材や天然素材には多少の欠点もあるということです。無垢のフローリングは反りやむくれが発生しやすいし、珪藻土などの塗り壁は傷が付きやすく、汚れが落としにくいのも事実。また、高価ということやメンテナンスの手間が少し増えることも考えられます。
もちろん、シックハウス対策の効果は抜群ですが、このように生活上で多少の不便も知っておく必要があります。
個人的には健康を害す化学物質まみれの建材と比べれば、上記のような欠点などたいしたことないと思っています。
化学物質放散量が少ない建材を選ぶ
無垢材や天然系の建材だけで、リフォームや新築ができればいいのですが、なかなかそうはいかないケースもでてきます。
断熱材や下地材など、どうしても人工的に加工された材料を使わざるを得ない箇所が出てくるのは当たり前ですし、オール無垢にしたいけれど、そうすると工事費が予算オーバーしてしまうといったことも考えられます。
そのようなときには、可能な限り揮発性有機化合物(VOC)の放散が少ないものを使いたいものです。
では、どうしたら化学物質の放散が少ない建材を選べるのでしょう。
@ ホルムアルデヒド発散等級をチェックする
JISやJASなどによってホルムアルデヒドの発散等級が表示されているので、これを参考にする方法があります。
等級は「F☆☆☆☆」という具合に星の数で表示されます。星の数が4つの場合が最もホルムアルデヒドの放散が少ない等級になるので、「F☆☆☆☆」を選ぶようにしましょう。
ホルムアルデヒド発散等級については シックハウス関連法規 04 をご覧ください。
ただし、「F☆☆☆☆」だから安全というわけではありません。 ただホルムアルデヒドが少ないというだけです。「F☆☆」や「F☆☆☆」よりは安全という認識にとどめてください。
A MSDSを取り寄せる
前述したように、「F☆〜F☆☆☆☆」という表示は、ホルムアルデヒドのみの発散量を示していますので、ホルムアルデヒド以外の化学物質については含有の有無や量が分かりません。
残念ながら、現時点ではホルムアルデヒド以外の化学物質については、「F☆☆☆☆」というような明快な等級表示は行われていません。
そこで役に立つのが製品安全データシート(MSDS)です。あまり知られていませんが、住宅生産者や購入者やその予定者はメーカーや業者から製品安全データシート(MSDS)という製品情報の書類を取り寄せることができるのです。
製品安全データシート(MSDS)には、含まれている化学物質成分の量や有害性などが記載されているので、建材中にどのような化学物質がどのくらい含まれているかを知る手がかりになります。これを使わない手はないでしょう。
MSDS制度について詳しく知りたい方は シックハウス関連法規 08 をご覧ください。
化学物質の放散が少ない建材を選ぶことは、シックハウス対策の中でも特に重要なことです。リフォームや新築を考えている方は、ぜひ慎重に建材を選んでください。
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