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シックハウス関連法規 04


-- 建築基準法 その2 --

シックハウス症候群の主な原因とされているVOC(揮発性有機化合物)の一つに、ホルムアルデヒドという化学物質があります。
改正
建築基準法では、このホルムアルデヒドを放散する建材の使用を、面積で制限しています。
 
ホルムアルデヒド発散建築材料の区分
改正建築基準法では、ホルムアルデヒドを発散する建築材料が、その発散速度(発散速度は「放散量」と読み替えても差し支えありません)に応じて、次の4つの等級に分類されました。 この区分に応じて使用できる面積の制限がかかります。

等 級 区 分
ホルムアルデヒド
発散速度
内装仕上げの面積制限
 規制対象外
 (F☆☆☆☆)

5μg/uh 以下
  使用面積制限なし
 第3種ホルムアルデヒド
 発散建築材料
 (F☆☆☆)
5μg/uh 超〜
20μg/uh以下
  使用面積を制限
 第2種ホルムアルデヒド
 発散建築材料
 (F☆☆)
20μg/uh 超〜
120μg/uh以下
  使用面積を制限
 第1種ホルムアルデヒド
 発散建築材料

120μg/uh 超
  使用禁止

「ホルムアルデヒド発散速度」とはどのようなものでしょう。 これは、28℃の温度条件において、1時間で、建築材料1u当たりから発散されるホルムアルデヒドの量を示したものです。
例えば、規制対象外(F☆☆☆☆)の建材は、1時間に、1u当たりの面積から発散されるホルムアルデヒドの量が、5μg(0.005mg)以下です。

F☆☆☆☆(エフ・フォースターと呼びます)の「F」は、ホルムアルデヒド(Formaldehyde)の頭文字をとったもの。
 最近では建材に「F☆☆☆☆」、「F☆☆☆」というようにラベル表示してあります。
先に説明したクロルピリホスと同じように、ホルムアルデヒド発散材料も建築物に用いられた状態で、5年以上経過したものについては規制対象外となります。

ホルムアルデヒド発散建築材料の使用面積制限
第1種ホルムアルデヒド発散建材は使用が禁止されています。一方、規制対象外とされている「F☆☆☆☆」については、ホルムアルデヒドの放散量がとても少ないことから、使用面積の制限はなく無制限に使えます。
では、第2種ホルムアルデヒド発散建材と第3種ホルムアルデヒド発散建材の使用可能面積はどのように決まるのでしょうか。 この面積制限の計算式は下のように示されています。

 N2 × S2N3 × N3

   N2 :  係数(下記の表に示す数値)
   N3 :  係数(下記の表に示す数値)
   S2 :  第2種ホルムアルデヒド発散建材の使用面積 (部分的な箇所は除外)
   S3 :  第3種ホルムアルデヒド発散建材の使用面積 (部分的な箇所は除外)
     :  居室の床面積
   ※ 「部分的な箇所」とは、例えば建具枠や回り縁などのことです。

  N2、N3の係数は、下記の表により建物の用途と換気回数から決まります。

居室の種類
1時間あたりの換気回数
N2
N3
 住宅などの居室  0.7 回/h 以上
1.2
0.20
 0.5 回/h 以上 0.7 回/h 未満
2.8
0.50
 それ以外の居室  0.7 回/h 以上
0.88
0.15
 0.5 回/h 以上 0.7 回/h 未満
1.4
0.25
 0.3 回/h 以上 0.5 回/h 未満
3.0
0.50

式に表すと、何だかややこしい計算のように見えますが、中身は単純。
簡単にいうと、建物の用途や換気の回数によって決まる係数に、ホルムアルデヒド発散建材の使用面積(u)を乗じた数値が、その居室の床面積(u)以下になるようにしてくださいね、ということです。
 
ただ、実際の現場では使用制限がかからないF☆☆☆☆を使うことが当たり前のようになってきています。というのも、建築基準法が改正されてから、建材メーカーは内装材のほとんどを、規制対象外(F☆☆☆☆)となるように製造しているからです。建材メーカーが、商品が売れないと困るため、必死で努力している現われなのでしょう。

しかし、これには少なからず問題があります。建築基準法で規制しているのは、あくまでホルムアルデヒドなので、これに代わる化学物質なら規制の対象にはなりません。ホルムアルデヒドをゼロにしたからといって化学物質がゼロになっているわけではないのです(ここ要注意!)。
事実、ホルムアルデヒドの規制が厳しくなってから、その代替材となるアセトアルデヒドという化学物質が増加傾向にあるという報告もあります。
まさにイタチごっこを思わせるような話ですが、アセトアルデヒドはホルムアルデヒドと性質が似ており、シックハウス症候群を引き起こす原因物質の一つとされています。
このことからも分かるように、F☆☆☆☆の建材であれば必ず安全ということではないのです。

法律が整備されてもシックハウス症候群がなかなか減らない理由は、こういうところにあるのかもしれまんせん。

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 01厚生労働省の室内空気質のガイドライン
    厚生労働省はシックハウスの原因となるVOCの室内濃度指針値を定めています。

 02WHOの室内空気質のガイドライン
    次は国外の例を見てみます。WHO(世界保健機構)が定める指針値とは?

 03建築基準法 その1
     再び国内です。建築基準法も2003年に改正されシックハウス対策が盛り込まれ
     ました。クロルピリホス使用禁止について解説します。

 04建築基準法 その2 
     引き続き建築基準法です。シックハウス症候群の主な原因とされてきたホルムア
     ルデヒドの使用制限について解説します。

 05建築基準法 その3
    知ってましたか?改正建築基準法により居室は、24時間ずっと換気扇を回し続け
     なきゃダメなんです・・・。24時間換気についての解説。

 06住宅性能表示制度
    欠陥住宅問題が広がる中、住宅の品質確保の促進等に関する法律が制定されま
     した。この中にもシックハウス対策に関する部分が盛り込まれています。

 07PRTR制度
    特定の化学物質を排出するときには、その量や内容をちゃんと管理しなさいという
     法律です。

 08MSDS制度
    対象となる事業者は、取り扱う製品に含まれる化学物質の性状や取り扱いに関す
     る情報を提供しなければなりません。 この制度、知ってて損はありません!

 09ビル管理法
    対象となる大規模な建物は、ビル管理法に則って環境衛生上必要な事項を守らな
     くてはいけません。   
関 連 情 報 @

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