シックハウス関連法規 07
-- PRTR 制度 --
「PRTR制度」とは、2000年に施行された「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」に基づいて導入された制度です。
シックハウス問題とはあまり深い関係はありませんが、化学物質にまつわる法律なので一応ここで触れておきたいと思います。
PRTR制度を正式に記述すると、「Pollutant Release and Transfer Register:化学物質排出移動量届出制度」で、その名の通り人の健康や地球環境に対して有害な化学物質が、どれくらいの分量どこからどこへ排出されたか、あるいは事業所の外に運び出されたかというデータを把握し、集計・公表する仕組みです。
つまり
事業者は、有害性のある化学物質の排出量・移動量を行政庁に届出て報告しなければなりません。そして行政庁は届出データを集計・管理し、国民からの閲覧請求に応じて、開示・公表を行う決まりとなっています。
この仕組みの概念をチャートで表すと次のようになります。
対象事業者 ⇒ 行 政 庁 ⇔ 国 民
(排出量・移動量を届出) (データを集計・公表) (データの開示請求)
PRTR制度の対象となる化学物質は、法律において「第一種指定化学物質」として定義されています。その数は354物質が指定されています。代表的なものを下の表にまとめました。
分 類 |
化 学 物 質 名 |
揮発性炭化水素類 |
トルエン、キシレン、ベンゼンなど |
有機塩素系化合物類 |
ダイオキシン類、トリクロロエチレンなど |
農薬類 |
クロルピリホス、フェニトロチオン、臭化メチルなど |
金属化合物類 |
鉛、有機スズ化合物など |
オゾン層破壊物質類 |
CFC、HCFCなど |
対象となる業種は、金属鉱工業、製造業、電気業、ガス業、鉄道業など23業種が定められています。
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