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シックハウス症候群の要因 02


-- 化学物質 その2 (スチレン、クロルピリホスなど) --

 化学物質その1の続きです。

スチレン
  スチレンは、別名スチレンモノマーとも言います。油状で黄色もしくは無色の化学物質です。ポリスチレン樹脂、合成ゴム、ポリエステル樹脂などの原料に用いられています。その中でも特に身近なのが発泡スチロールでしょう。スチレンは発泡スチロールの主要な原料なのです。
 スチレンは目、喉、気道などに対する刺激性を示し、繰り返し接することで皮膚炎を起こすこともあるとされています。 
  厚生労働省の室内濃度指針値は0.05ppm以下です。

クロルピリホス
 クロルピリホスは、有機リン系の化合物でかなり毒性が強い化学物質です。防蟻剤(シロアリ駆除剤)や農薬に含まれ、揮発性はそれほど高くないものの、遺伝子毒性が報告されており、ラットを用いた実験によると神経発達の影響や脳の形態学変化を起こさせることがあるとされています。
  国土交通省の改正建築基準法ではクロルピリホスの使用を禁止しています。ここで注目したいのは、ホルムアルデヒドのように使用量が「制限」されるのではなく、使用が「禁止」されているということ。
  昔は防蟻剤として建物に多く使われていたクロルピリホスですが、今やどんな少量であっても建物に使用することができないのです。このことからも、いかに健康影響が大きいかうかがい知るとこができますよね。
 厚生労働省の室内濃度指針値は0.07ppb以下とされています。

フタル酸ジ-n-ブチル
 フタル酸ジ-n-ブチルは、塩化ビニールの可塑剤(塩ビ材料をやわらかくするための添加剤)、顔料などに使われています。無色あるいは黄色味を帯びた油状の液体で、健康影響としては喉、気管支、胃の痛み、皮膚への刺激があるとされています。
 厚生労働省の室内濃度指針値は0.02ppm以下です。

テトラデカン
 テトラデカン(なんだか怪獣のような名前ですね・・・)は、塗料などの溶剤に使われ、灯油からも多く発生します。無色の液体で石油の臭いが強いのが特徴で、皮膚に対する刺激が強いとされています。
  厚生労働省の室内濃度指針値は0.04ppm以下です。

フタル酸ジ-2-エチルヘキシル
 フタル酸ジ-2-エチルヘキシルは、ビニールシートの製造やプラスチック可塑剤に用いられる化学物質で、無色あるいは黄色味を帯びた油状の液体です。目や粘膜を刺激し、経口投与実験では軽度の胃腸障害や下痢が認められています。
  厚生労働省の室内濃度指針値は7.6ppb以下です。

ダイアジノン
 ダイアジノン(これまた怪獣のような名前・・・)は、有機リン系化合物に分類され、多くは殺虫剤の成分として用いられています。無色で、特徴ある臭気を持った油状の液体で、吸い過ぎると赤血球コリンエステラーゼの働きを阻害するとされています。
 厚生労働省の室内濃度指針値は0.02ppb以下です。

アセトアルデヒド
 アセトアルデヒドは、ホルムアルデヒドと非常によく似た化合物であり、ホルムアルデヒド同様、接着剤や防腐剤に用いられています。写真の現像液にもよく使われることで有名です。健康障害もホルムアルデヒドとよく似ており、目や鼻、喉の粘膜、皮膚を刺激するとされています。
  余談になりますが、国土交通省の改正建築基準法によりホルムアルデヒドの使用量が制限されたことにより、建材中にホルムアルデヒドが使われることが激減しました。しかしホルムアルデヒドの代替剤として、このアセトアルデヒドが多く使われるようになったとの報告もあり、問題視されています。 
  せっかくホルムアルデヒドが減ったというのに、その代わの化学物質が増えてしまってはシックハウス症候群の解決にはなりませんよね・・・。
  話が逸れました。厚生労働省の室内濃度指針値は0.03ppm以下とされています。

フェノブカルブ
  フェノブカルブは、芳香臭のある無色の結晶で、害虫駆除用の殺虫剤として使用されるほか、マイクロカプセル化して防蟻剤としても使用されています。揮発性は低いものの、倦怠感、頭痛、めまい、吐き気、腹痛、縮瞳などの健康障害が確認されています。
  厚生労働省の室内濃度指針値は3.8ppb以下です。

TVOC (総揮発性有機化合物)
 TVOC(Total Volatile Organic Compounds = 総揮発性有機化合物)とは、VOCの総量のことを指しています。
  先のアセトアルデヒドのところであげたように、ある化学物質を減らすと、それに代わる化学物質が増えるという逆転現象が起きることがあります。
 つまり、 指針値が設けられている化学物質は減るのに、設けられていない化学物質は増えるということになります。これでは、シックハウス症候群の解決にはなりません。
  このような弊害をなくすためには、個々の物質だけでなく化学物質全体として枠を設定する必要があります。そこでTVOCという概念がでてきたわけです。

  厚生労働省は、必ずしも医学的な根拠に基づくとはいえないものの、合理的に達成できるであろうレベルでTVOCの室内濃度の暫定目標値を400μ/m3と定めています。
 
  最近、「低ホルムアルデヒド」であることを根拠に「健康住宅」を謳った広告をよく見かけますが、TVOCという観点で考えると本当に「健康」であるかどうかとても疑問です。
 
 

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 01化学物質 その1 (ホルムアルデヒド、トルエン、キシレンなど)
    シックハウス症候群の最も大きな原因とされるのが化学物質。ここでは厚生労働省
     で室内濃度の指針値が定められている化学物質について説明します。

 02化学物質 その2 (スチレン、クロルピリホスなど)
     化学物質その1 の続きです(書ききれないので・・・)。  

 03ダニ その1
     家の中に生息する様々なダニ。その種類や特徴を解説します。

 04ダニ その2
     ダニによる健康影響ってどんなものがあるの? ダニに刺されることよりも・・・

 05カビ その1
    カビの種類からその特徴までを解説。カビにもいろいろあります。

 06カビ その2
    カビが人に及ぼす健康影響を解説しています。

 07様々なアレルゲン
    「アレルゲン」とはアレルギーの原因となるものです。家の中に潜むアレルゲンは、
     ダニやカビ以外にも様々!

 08シックハウス症候群になりやすい体質
    シックハウス症候群になる人、ならない人。 それは一体何で決まるのでしょう・・・。
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