シックハウスの基礎知識 03
-- シックハウス症候群の特徴 --
体の不調を感じるけれど、ハッキリした原因が分からないので人になかなか理解してもらえない。しかたなく我慢せざるを得ない・・・。
こんな状況って最悪ですよね。しかし、シックハウス症候群には、こんな最悪な状況を生みかねない特徴があるのです。
事実、
「まさか自分がシックハウス症候群になっているとは疑いもしなかった」、「体調不良の原因がシックハウスだと気付くまでに数年かかってしまった」という方は多くいるようです。
病気の特徴をしっかりつかんでいれば、「もしや?」と疑ってかかることができるハズ。
というわけで、ここではシックハウス症候群の特徴をいくつか紹介したいと思います。
特徴その1・・・原因が多種多様で様々な複合要因が考えられる。
シックハウス症候群の原因となる有害物質は、建材からだけでなく、日常生活の中のあらゆるところから発生しています。
もちろん建材(特に内装材)からの化学物質が最も大きな原因と考えられていますが、それだけではなく家具や様々な調度品、日常生活用品、暖房器具からの空気汚染物質、ダニ・カビなどの生物的要因、ホコリなどのハウスダスト、タバコの煙など、多くの要因が複合的に絡み合ってシックハウス症候群を引き起こすと考えられいます。
けして「ウチは新築じゃないからシックハウスは安心」とは言えないのです。
特徴その2・・・個人差が大きく、病状が多岐にわたる。
同一環境で生活していても、強い症状を訴える人もいれば全く症状の出ない人もいます。病状も人によって多種多様で、同じ住居内での居住者が同じような症状をあらわすとは限りません。
これには理由があって、化学物質に対する感受性が人それぞれ異なるからだと考えられています。家族の中で、自分だけがシックハウス症候群になるのはおかしいと感じてしまいそうですが、そのようなケースも十分に考えられるのです。
また、同じ建物(建材の仕様や工法が同じ)であったとしても、換気や掃除の方法、その程度や頻度など、その人の生活スタイルによっても症状の出かたが大きく変わります。
特徴その3・・・本人にしか自覚できない症状が多い。
みなさんは「不定愁訴(ふていしゅうそ)」という言葉を聞いたことがありますか?
辞書によると、「明確な器具的疾患が見られないのに、さまざまな自覚症状を訴える状態」(広辞苑)とされています。
本人はツライ症状に悩まされているのに、病院で検査すると、どこも悪い箇所が見つからず異常なしと診断されてしまう・・・。シックハウス症候群はこの不定愁訴のような症状が多く出ます。このことで、自律神経失調症や更年期障害、場合によっては精神疾患などに間違われてしまうケースもあるようなのです。
特徴その4・・・原因となる建物を離れると症状が和らぐ。
これはとても重要な特徴です。
シックハウス症候群は、
原因となる場所から離れると症状が一気に和らぎます。家にいない時は全く症状が出ない人もいるくらい。
例えば、職場にいるときはほとんど症状がでない、旅行先では体調がよかったなど・・・。家にいないときどんな状態か、思い出してみてください。
この特徴は自分の住まいがシックハウスかどうかを疑ってみる、とてもよい材料になると思います(ただし、化学物質過敏症のような重度のケースになると、この特徴は当てはまりませんので注意が必要です)。
こうしてまとめてみると、シックハウス症候群って本当にやっかいですね。ですが、要因を取り除いたり、要因を少なくすれば症状が和らぐのです。ここに対策の重要なヒントがありそうです。
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