シックハウスの基礎知識 02
-- シックハウス症候群って何? --
「○○さんのお宅はシックな家ねぇ」なんて聞くと、思わず洒落てる家を想像してしまいますが、「シックハウス」の「シック」は残念ながら、その「シック(chic)」ではありません。「sick=(病気の,病んだ)」という意味で使われています。
つまり、「シックハウス」とは直訳すると「病気の家」あるいは「病んでいる家」ということになりますが、具体的にどのように「病んでいる」のかといえば、室内の空気が汚れている意味で「病んでいる」家のことを示してます。
一方、「シックハウス症候群」とは「室内の空気が汚染されることによって引き起こされる様々な健康障害の総称」と定義されています(シックハウス診断士協会)。
では、室内の空気汚染って具体的にどんなものなのでしょう。そして、それによって引き起こされる健康障害って一体どんな症状なのでしょうか。
汚染される室内空気
まず室内の空気汚染について説明します。
シックハウス症候群の最も大きな原因は、建材や家具などから放散される有害な化学物質です。一口に化学物質と言ってもその種類は数え切れないほどあるわけですが、特に問題になっているのが、建材などに含まれるVOC(=揮発性有機化合物)類。
例えばホルムアルデヒドやトルエンやベンゼンやキシレンなど・・・。これらVOCは「揮発性」というだけあって、常温でも気化し続けるため室内の新鮮な空気を汚していきます。
「化学物質による空気汚染」だけをシックハウスの原因とする向きもありますが、室内の空気汚染源はもちろん化学物質だけではありません。
その代表的なものがダニやカビです。これらがアレルギーの原因となることは周知の通りですが、広い意味ではこれらもシックハウス症候群の原因といえます。
また、それ以外にも室内空気汚染の原因にはハウスダストやタバコの煙、ストーブの煙など・・・様々なものがあります。
シックハウス症候群の症状
さて、では空気の汚れによって引き起こされる健康障害、つまりシックハウス症候群の症状ってどんなものなのでしょう。代表的な症状を体の部位ごとにまとめてみました。
・目 : 目の痛み、目がチカチカする、目のかゆみ、涙目、目の充血、目の乾燥など
・鼻 : くしゃみ、鼻水、鼻づまり、鼻粘膜の痛み、乾燥感、臭いに敏感になる、鼻閉など
・喉 : 喉の痛み、喉粘膜の乾燥感、咳、喘息、喘鳴など
・耳 : 耳鳴りや平衡感覚の異常など
・肌 : 皮膚炎、肌荒れ、乾燥肌、かゆみ、じんましん、しっしんなど
・精神・神経
: 疲れやすい、無気力、疲れが取れない、倦怠感、睡眠障害、めまい、
眠気、イライラ、集中力の低下、記憶力の低下、筋肉痛、動悸、息切
れ、頭痛、頭がボーっとするなど
・その他 : 食欲不振、便秘、下痢、不整脈、吐き気など
え!こんなにイロイロなの?って思われた方、多いと思います。
ほんとにたくさんの症状があってビックリしますよね。シックハウス症候群の症状はこのように非常に多岐にわたっているのです。
代表的な症状は目や鼻や喉の不調。これは、空気中に放散されたVOCがヒトの粘膜を刺激する性質をもっているからなんです。
これだけたくさんの症状があることに加えて、さらに厄介なのが個人差が大きいこと。
人によって症状が異なることから、自律神経失調症や更年期障害、時には風邪に間違えられることも多いのです。
シックハウスが原因なのに、頑張って風邪薬を飲んでも・・・そりゃ治るわけがありません。
じゃあ、どうやって自分がシックハウス症候群なのかどうか見極めればいいのよ??という方は、ぜひ次を読んでください。
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